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【実例⑥】日当たりシミュレーション・日照シミュレーション_K様邸 平屋住宅 南北に長いLDKの日当たり

  • 執筆者の写真: 建物ラボ
    建物ラボ
  • 1月30日
  • 読了時間: 6分

皆様こんにちは。

早いもので今年も1月下旬になりました。1年の12分の1が終わりました。そう考えると1年は早いですね!気づいたら4月になっているでしょう。

何とか今年は継続して記事の更新を続けております!

早く習慣化して早く作業から習慣へ脱したいですね。


 

今回は6回目の実例UPです。

徳島県K様邸です。K様邸は平屋住宅をマストでご希望されており、平屋住宅が何よりも優先のプランでした。建物ラボへご依頼頂いた段階では、間取りがほぼ確定しており間取りの変更は難しい段階でした。

日当たりシミュレーション、日照シミュレーション事例6。外観プラン
K様邸外観 南側に2階建て住宅が2棟並んでいます

周辺建物の条件としては、南面に2階建て住宅があるにも関わらず、平屋住宅を必須としていたため、南面に2階建て住宅で自宅が平屋住宅と日当たり的には不利な条件です。

周辺建物や環境を気にしないで、住宅プランを進めてしまうと日当たり環境上非合理的な配置やプランとなってしまうのです。。。

そして打ち合わせを重ね、後半になり急に不安になってくる。。。

しかし、不幸中の幸いで、まだ窓の変更は可能な段階でした。

日当たりシミュレーション、日照シミュレーションを実施する事が効果的な窓配置へアップデート致しました。




南北に長いLDKの平屋住宅における日当たり・明るさの確保方法


木造平屋住宅において、南北に長いLDKを設計する際、日当たりや明るさを確保することは大きな課題となります。日当たりの良い家を考える際に、南面からの日射は特別な方位です。南面は一番長時間明るさを得られる特別な窓なのです。

ですので、南北に長いレイアウトの場合、床面積に対して南面の窓が取りにくいので、明るさ確保が難しい間取りと言えます。

このようなレイアウトでは、南側に大きな開口部を設けても、奥まで十分な光が届かないことが多いため、適切な設計手法を取り入れることが重要です。


平屋住宅で南北に長いLDKを持つプラン
南北に長いLDK ※上が北、下が南です

 

1. 採光を確保するための設計手法

1-1. 天窓(トップライト)の活用

南北に長いLDKでは、側面からの採光が限られるため、天井に天窓を設けることで室内全体に自然光を取り込むことができます。特に、吹き抜けや勾配天井を用いた高窓を採用することで、天窓からの光をより広範囲に拡散させることが可能です。

1-2. ハイサイドライトの採用

南側の壁面に設けた窓だけでは、北側の奥まった部分に十分な光が届かないことがあります。そのため、建物の高い位置に横長の窓(ハイサイドライト)を配置することで、より均等な採光を実現できます。

1-3. 中庭やライトコートの設計

建物の中央部分に中庭やライトコートを設けることで、南北に長いLDKの中心部にも光を確保できます。特に、中庭を囲む形でLDKを配置すると、どの方向からでも採光できるため、日中の明るさを維持しやすくなります。

1-4. 吹き抜け+高窓の併用

LDKの一部を吹き抜けにし、そこに高窓を設けることで、より多くの自然光を取り入れることができます。これにより、北側のエリアでも明るさを確保しやすくなります。

1-5. 反射光の活用

室内の壁や天井を白や明るい色にすることで、入ってきた光を反射させ、室内の奥まで光を届けることができます。また、ガラスや鏡などの反射素材を活用するのも効果的です。

また、床面を白系にすることにより、南面の窓からの日差しが床に反射して、LDKの奥の空間まで光を届けることが可能です。

1-6. 透過性のある間仕切りを使用

間仕切り壁をガラスや格子状のデザインにすることで、光を遮らずに拡散させることができます。特に、LDKと隣接する部屋の間仕切りにこのようなデザインを取り入れることで、開放感と採光性を高められます。

1-7. 窓の配置とサイズの工夫

・南側には大開口の掃き出し窓を設ける。特に南面の窓高さを高くしてください。例えば何も考えずにH2000mm の窓を設置するのではなく、H2200㎜やH2400㎜ の窓にすれば、高い位置からの日射角度と捉えることがかのうですので、よりLDKの北側の奥へと日射を導くことが可能です。

・北側にも窓を設け、風通しと採光を確保する。

・東西の窓からも光を取り入れるようにする。

・高窓と組み合わせることで光をより広く届ける。


 

2. 南北に長いLDKのメリットとデメリット


2-1. メリット

① 開放的な空間の確保 南北に長いLDKは、広々とした空間を確保しやすく、家族がゆったりとくつろげるリビングを実現しやすい。

② 通風が確保しやすい 南北に長い構造では、南北に窓を設置することで風の通り道を確保しやすく、自然換気が効率的に行える。

③ 柔軟な家具配置 長い空間を活かして、リビング・ダイニング・キッチンを適切にゾーニングしやすく、家具配置の自由度が高い。

④ プライバシーの確保 南北に長い間取りの場合、道路や隣家との距離を取りやすく、外からの視線を遮る工夫がしやすい。

2-2. デメリット

① 採光の確保が難しい 南北に長いため、北側や中央部分が暗くなりやすい。上述の採光方法を取り入れないと、日中でも照明が必要になることがある。

② 冷暖房効率が下がる 空間が広いため、夏場は暑くなりやすく、冬場は暖房効率が低下する可能性がある。断熱性能を高め、シーリングファンなどを活用して空気を循環させる工夫が必要。

③ 建築コストが高くなることも 採光のための天窓や吹き抜け、高窓などの設備を導入することで、建築コストが高くなる可能性がある。

④ 家事動線の工夫が必要 長い空間になるため、キッチンとダイニング、収納スペースとの動線をしっかり考えないと、家事の効率が下がることがある。




まとめ

間取りに悩みあれやこれや追加したり、パズルのように悩んでいると気づいたら南北に長いLDKになっているお施主様も多く見てきました。南北に長いLDKの平屋住宅では、日当たりや明るさを確保するために、天窓・ハイサイドライト・中庭・吹き抜け・反射光などの工夫を取り入れることが重要です。また、南北の通風を活かしたり、適切な家具配置を行うことで、メリットを最大限に活かすことができます。ただし、冷暖房効率や建築コスト、動線計画にも注意を払う必要があります。

適切な設計と工夫を取り入れることで、明るく快適な南北に長いLDKのある平屋住宅を実現することができます。

いずれにせよ、早めのセカンドオピニオンと日当たりシミュレーション・日照シミュレーションを実施する事でベストな窓配置を実現してください。



実例⑥ 日当たり改善 ダイジェストムービー



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