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【高性能サッシ】樹脂サッシとアルミ樹脂ハイブリット窓どちらにする?①

  • 執筆者の写真: 建物ラボ
    建物ラボ
  • 2024年1月19日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年4月24日



これからの日本に求められる高性能住宅は、住宅のサッシ選びは非常に重要です。ここでは、樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシのそれぞれのメリットとデメリットについて、特に断熱性能と日射取得性能に焦点を当てて詳しく説明します。

ご依頼の住宅会社さんから、高断熱住宅ならば樹脂サッシ一択と言われておりませんか?耐候性でハイブリット窓ですか?何も考えず樹脂サッシを選んでおりませんか?勿論断熱性能であれば、樹脂サッシの方が良いです。ただし、メリットとデメリットがあるので、詳しく解説してゆきます。


 

≪樹脂サッシ≫


YKKAP製のAPW430。樹脂サッシトリプルガラス。

樹脂サッシは、主にPVC(ポリ塩化ビニル)で作られています。

外観も内観も全て樹脂で出来ているのが樹脂サッシです。

【メリット】

1.断熱性能: 

樹脂サッシは金属サッシに比べて断熱性に優れており、熱損失を減らすことができます。これは、冬の暖房コスト削減に貢献します。また、夏の冷房コストも削減できるため、年間を通じてエネルギー効率の向上が期待できます。

1にも2にも断熱性能が優れている点が全てです。

2.防音性能

樹脂は金属よりも音の伝達を抑える性質がありますので、外部の騒音を軽減できます。

3.気密性能

樹脂サッシは寒冷地専用サッシとして開発されております。根本的な気密処理がハイブリットサッシとは異なっております。

【デメリット】

1. 耐久性

強い衝撃や長期間の紫外線曝露によって、樹脂サッシは劣化しやすいです。

屋外に置いてあるプラスチックと金属だったら、どっちが劣化しやすいかは想像は簡単でしょう。

2.荷重・躯体への負担

樹脂サッシと金属サッシだと、樹脂の方が素材的に軽いと思いますが、実は樹脂の強度が弱いので、中に鉄の芯材が入っております。中に入っている鉄の芯材がとても重い為、樹脂サッシの方がトータル重量としては重くなります。

ですので、引違窓などの開閉は重くなりますし、取り付けする躯体への負担も大きいです。

3. デザインの制限

素材の強度が低い為、サッシの品種としては少ないです。また、サッシの部材の太さがあるので、マッチする住宅デザインも良し悪し有ります。


 

≪ アルミ樹脂複合サッシ≫


LIXIL製の高性能サッシTW。アルミ樹脂複合ハイブリットサッシ

アルミ樹脂複合サッシは、内部に樹脂を用いて外部にアルミニウムを使用しています。異素材の組み合わせより、ハイブリット窓と呼びます。

【メリット】

1.耐久性と強度

アルミニウムの強度と樹脂の耐候性を併せ持ち、長期間にわたる耐久性があります。これにより、重いガラスや大型の窓枠にも適しています。

2.デザイン性

アルミニウムの使用により、よりスリムでスタイリッシュなデザインが可能です。建築デザインに合わせやすいのも大きな利点です。部材が細い為スッキリとしたデザインが実現可能です。

3.メンテナンス

アルミニウムは腐食に強く、メンテナンスが容易です。

4.日射取得性能

アルミ樹脂複合サッシは、樹脂サッシに比べてフレーム部分が細いため、より多くの日射を取り込むことが可能です。これにより、冬場の暖房費の削減に寄与します。

【デメリット】

1. 断熱性・防露性

樹脂サッシと比較して断熱性能はやや劣る場合があります。ただし、最新の技術を用いたアルミ樹脂複合サッシは、断熱性を高める工夫が施されているものもあります。

2.気密性能

樹脂サッシと比べ、アルミ樹脂ハイブリット窓では、やはり気密性能も多少劣ります。


### 断熱性能と日射取得性能の重要性

パッシブデザインでは、断熱性能と日射取得性能は極めて重要です。断熱性能が高いサッシは、室内の温度を一定に保ちやすく、エネルギー効率の高い快適な居住環境を実現します。一方で、日射取得性能が高いサッシは、自然の光と暖かさを最大限に活用し、冬場の暖房費を削減することができます。

### 総合的な考慮が必要

サッシ選びにおいては、単に断熱性能や日射取得性能だけでなく、耐久性、メンテナンスの容易さ、デザイン性、コストなど、多角的な視点から総合的な判断が必要です。特に、住宅の立地条件や気候、住宅の設計全体との調和を考えることが重要です。たとえば、寒冷地では断熱性能を重視し、温暖地では日射取得性能や通風の良さを重視することが望ましいでしょう。

### まとめ

樹脂サッシとハイブリットサッシでは、良い点と悪い点があり、一長一短でどちらが優れていて、どちらが劣っているか?一概に決められません。施工をお願いしている建築会社さんがどちらのサッシを使っているか?どのような考えてお勧めしてきているのか?を良く確認してください。コスト?耐候性?メンテナンス性?断熱性?気密性?デザイン性?何となく?どの項目を優先するか?でサッシは異なります。

今回は一般的な内容を述べさせて頂きました。

次回は樹脂サッシとハイブリット窓の世界的な視点と、パッシブ的な視点からver2の更新を致します。




 
 
 

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